土壌汚染の調査とか対策とか

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令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験 午前 問題2 解答と解説

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令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験(環境省HPより抜粋) 

正答は(3)

 

特定有害物質(+ジオキサン)の物性についての知識を問う問題でC,Dは正しい

 

A:1,4-ジオキサン

1,4-ジオキサンは水とは自由に混和して溶けやすく、逆にほぼ揮発しない

もともとクロロエチレンと同時タイミングで規制を掛けようとしたものの、

上記の物性的にガス調査の適用性が低く、対策技術自体も未確立のところが多く未だ規制に至らない物質

ちなみに土壌にもほとんど吸着しない

めちゃくちゃ水に溶け易く、ガスや土壌中にはほとんどいないのが特徴の物質

 

 

B:クロロエチレン

まず比重は水より軽い

第一種の中では、ベンゼンとクロロエチレンだけが水より軽い

ただ、たしかに現場で見るとベンゼンは水面付近に多いけど、クロロエチレンは分解生成由来の場合には水面まで浮いてきたりまではしない印象

溶解度としてはトリクロロエチレンが1,000mg/L  < クロロエチレン8,800mg/L

揮発性はヘンリー定数でみるとトリクロロエチレン998  < クロロチレン2,820

なので土壌環境中の移動性が高いというのは

 

 

E:シアン

遊離シアンとは錯体ではないもので、いわゆるシアンイオンというもの

問題文にも記載の通り水にもよく溶ける

ただ、シアン化水素ガス(別名:青酸ガス)は酸性で生成する可能性があり、この点が誤り

マニアックなようにも見受けられるけど、見た目は子供な探偵アニメによくに出てくる青酸カリ(シアン化カリ)に置き換えて考えると理解し易い

青酸カリを飲む → 胃酸で酸性環境 → 青酸ガス発生 → 死ぬ

というメカニズム

人の健康防止とのお題目もあり、現行の法規制されいてる重金属類は基本は人の胃の中、つまりは酸性環境下で危険性が高いというのはポイント

 

 

 

物性とはいえ、細かい数字の暗記はあまり大事ではなく、環境中の存在状態や有毒性をもつシチェーションのイメージを持つことが大事な問題